最近人気が高まっている中古物件。
新築物件ではなく中古物件を探されている方はたくさんいらっしゃると思いますが、皆さんは「かし保険付き物件」をご存知でしょうか。
中古物件に安心して暮らすためには…
中古住宅の場合、構造上の主要部分など重大な欠陥がある場合があります。
構造上重大な欠陥があると、安心して生活することができません。
また、どんなに安い中古住宅であっても、重大な欠陥があっては購入する気になれません。
かし保険は、そういった中古住宅の重大な欠陥について、検査と保証をしてくれるものです。
かし保険とは?
「瑕疵(かし)保険」とは、住宅専門の保険会社である「住宅あんしん保証」が2016年9月より提供しているものであり、中古住宅購入をするためのための保険です。
住宅あんしん保証は、国土交通省が指定している保険会社です。
なぜ中古物件に限りかし保険が必要?
新築物件の場合は、住宅を販売・供給する業者が購入者に引き渡してから欠陥があった場合、損害補償や補修をしたりする義務があります。
それも販売してから10年と長期間と法律で定められています。
しかし、中古物件はそれに該当しません。
なぜなら中古物件は個人が所有していることがほとんどですから、何らかの重大な欠陥があったとしても責任を負うことが難しいためです。
中古物件も安心して購入するために
中古物件の場合は、売買契約の際に明らかになっている欠陥を持ち主がきちんと公表する義務がありますが、契約後に見つかった欠陥については責任を負うことがありません。
ただそれでは中古物件を安心して購入することができなくなってしまうため、売買契約の際に疵担保責任を免除するか、数カ月程度の短期間に限定するのが一般的です。
かし保険に加入するには
かし保険は売主が加入を求めるものとされていますが、買主が加入を求めることも可能です。
検査費用や保険料などを買主が負担することでそれが可能となります。
ただ問題は売主が事前検査に応じるかどうかです。
基本的にかし保険は売買契約の際に加入するのですが、事前に検査をすることが必須とされています。
つまり売主の協力が無ければかし保険に加入することができないというわけです。
最近では仲介する不動産業者が自主的に加入するケースが増えてきています。
保険料の値段は
かし保険の保険料は保険上限額によって異なります。
仮に保険上限額が1,000万円であれば、保険料は5万円~10万円程度です。
5万円~10万円で建物診断も受けることができるため決して高くはありません。
かし保険があることで…?
中古住宅を購入する人がこれまで売主が気づかなかった欠陥を売買契約後に見つけた場合、購入者がお金を出して補修をおこなわなくてはなりませんでした。
それは何だか理不尽な気もしますし、購入する側も「もしかしたら欠陥があるかもしれない」なんて不安になってしまいます。
政府は契約前に住宅の状態を検査したり、かし保険に加入したりなど、中古物件を求める方が安心して購入できる体制を整えようとしています。
かし保険付き中古物件のメリット
不安が先立ってしまう中古物件の購入ですが、そのせいで新築物件購入にシフトしてしまう可能性をなくせるなどの双方に様々なメリットがあります。
■買主のメリット
1.住宅の基本的な性能が保証される
2.購入後に欠陥が見つかった場合に保険金が支払われる
3.最大30万円のすまい給付金を受け取ることができる
4.住宅ローン減税や不動産取得税減税などの税制優遇措置が受けられる
5.保証が5年も続く
■売主のメリット
1.住宅診断を受けている物件として中古物件を求めている人にアピールすることができる
2.どんなに築年数が古くても安心して売却することができる
■仲介業者のメリット
1.仲介した物件のトラブルを回避することができる
2.保険に加入することで成約率が高くなる
かし保険を賢く利用しよう
かし保険は、平成24年にスタートした新しい保険制度のためまだ認知度が低いと思います。
個人はもちろんのこと、不動産業者であってもこの制度を知らない場合もあります。
そのため、まだかし保険付きの中古物件は少ないのですが、これからどんどん増えていくことでしょう。
かし保険付きの中古物件なら安心して購入することができるに違いありません。